こんにちは、Joy Living Lab.石井です。
珍しく、ヒカリ座ではない映画館の映画の話。
「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」
観ました。
この原作を15年前くらいに読んでいて、非常に感銘を受けたのでした。
原作はこちら。
こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち (文春文庫 わ)
- 作者: 渡辺一史
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/07/10
- メディア: 文庫
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映画、すごくよかったです。
大泉洋さんすごいなー。
わがままで憎めない鹿野さん(役柄名)の、時折みせる人格者ぶりに感動。
高畑充希さんの、「なんでこんな人のためにただ働きしなきゃいけないの?」ていうはじめの感じ(役柄)もリアルでよかった。
原作を読んでいた当時、まだ親元から大学に通って過ごしていた私は、「自立ってなんだろう?」といったことを考えていました。
就職して自分でお金を稼げるようになって、世の中に貢献して、ひとに迷惑をかけずに生きていくこと?と。
この映画の主人公である鹿野さんも含め、日常生活すらも命の危険があるような障害や病気を抱えた人たちの中に、病院や実家ではなくて地域で生活しようという「自立生活」を追求した人々がいて、その生き様に、人間が生きることへの希望を感じます。
当時私が衝撃を受けた、「自立生活」をしている方による「自立」の説明にこういうのがありました。(どこに書いてあったものかも内容もうろ覚えですが。。)
麻痺があって自分で着替えられなくて、ひとに迷惑をかけず、出かけずにいる人よりも、ひとにボタンをとめてもらって服を着替えて、ひとが押す車椅子に乗って出かける人の方が、自立している。
映画の中で鹿野さんも
人間なんてさあ、自分でできることはほんのちょっとしかないんだから
的なことを言ってました。(うろ覚え)
お前はなんでもできるふりしすぎなんだよ
とも。(うろ覚え)
別に障害がなくたって、たくさんひとに頼って生きた方が豊かだよねえ、と。
みんながそんな風に、苦手なことを表明し合って、頼って、補い合って暮らしていけたらなあ、と、ピュアに夢見ていたことを思い出しました。
そうそう、愛情を注ぎすぎてしまう親とか、安全第一のあまり自由≒生きる意味がなくなる病院施設への反発も描かれていました。
頼り方も、相手を間違えるとがんじがらめになってしまうのですよね。
保護と尊重の違いというのか、、。
自分の欲求に正直に、ひとに頼る。
そういう生き様をいまになっても私たちに示してくれるこの鹿野さんっていうひとの大きさをおもいます。
15年前にヒットしたノンフィクション作品が、なぜ今になって映画化?と不思議に思っていましたが、いい大人になった今の私だから感じられることも多々あり。名作と
の再会に感謝です。
ヒューマンドラマとして、エンタメとしても質が高い作品で、要所要所でハンカチ必須。おススメ!
そんな感じです。
Joy Living Lab.石井