こんにちは、Joy Living Lab.石井です。
『ヒカリ座』
それは、栃木県宇都宮市の誇る、唯一の、単館系映画館。
昔は単館系もたくさんあったらしいです。
そして、平日にいくとだいたい平均鑑賞者3名…。
貴重な文化財だ!と微力ながら応援していまして、
毎月1つはヒカリ座で映画をみようと心がけています。
今月は、こちら。『サーミの血』
公式サイトより
世界の映画祭でも絶賛の声が相次ぐ本作は、北欧スウェーデンの美しい自然を舞台に描かれるサーミ人の少女の成長物語であり、差別に抗い生き抜く姿に心打たれる感動作である。界の映画祭でも絶賛の声が相次ぐ本作は、北欧スウェーデンの美しい自然を舞台に描かれるサーミ人の少女の成長物語であり、差別に抗い生き抜く姿に心打たれる感動作である。
サーミ人とは、ラップランド地方、いわゆるノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北部とロシアのコラ半島でトナカイを飼い暮らし、フィンランド語に近い独自の言語を持つ先住民族。映画の主な舞台となる1930年代、スウェーデンのサーミ人は他の人種より劣った民族として差別された。
というわけで。
スウェーデンなど北欧って、ダイバーシティが進んでいて民度が高い!イメージが私はありますが、考えてみればバイキングから始まった民族なわけでけっこうワイルドよね。そしてそこには先住民がいたわけですよね。(バイキングについてのステレオタイプもそれはそれで議論あるところですが)
ちょうど冬休みに愛知県の「リトルワールド(世界各地の民俗・建築を見学できるアミューズメントパーク)」を訪ねていたんだけど、そこでサーミ人のテントでの暮らしが紹介されており、「北欧のさらに北でテント生活とは、さぞ寒いのでは…」などと興味を持っていたところでした。
映画のなかで、ヨイクと呼ばれるサーミ人の歌がサーミ文化の象徴的なものとして描かれているのですが、それを聞くたびに、日本のアイヌの人々の歌を思い出していました。
北の先住民が、追いやられ、劣った民族とされていく、といった過程もアイヌ民族の歴史に似ています。
映画の中で描かれるサーミ人へのマジョリティ側「スウェーデン人」の言動はアイヌ民族への「日本人」の言動と重なる部分があるのだろうと思われ、無自覚なマジョリティの姿を他人事とは思えませんでした。
少女の成長・決別・再会・償い…いろいろなテーマの詰まった作品です。
そんないろいろを思いながら、北欧の美しい森や湖の風景とともに紡がれる物語にしばし心洗われました。
毎月ヒカリ座、またレポートします。
まあ、そんなかんじ。
Joy Living Lab. 石井